各検査項目についてご説明します。
問診
現在の健康状態や生活ぶり、本人の過去の病歴(既往症)や家族の病歴などを医師が受診者から聞き、検査の参考にします。
身長・体重(標準体重・BMI)
身長と体重を測ります。BMIを算出して肥満かどうかなどを判定します。
肥満の判定基準
肥満は生活習慣病の温床になります。肥満状況を調べます。
肥満の判定は体格指数(BodyMass Index・BMI)によって行います。
BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
BMIの標準値は22です。
標準体重の求め方
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
胸部聴診 | 心臓や肺など常時動いている臓器を、医師が聴診器で働きが正常かどうか状態を調べます。 |
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腹部触診 | 医師の触診により、腹部・後腹膜腔内等の異常所見を可能な限り調べます。 |
視力検査 | 目の働き(視覚)の程度を調べます。主として近視、乱視など屈折異常の検査です。片目ずつ視力検査表を見て測定します。肉眼で見る裸眼視力とメガネなどをかけたときの矯正視力を測定します。場合によっては色弱や老視の検査も行います。 |
聴力検査 | 耳の働き(聴覚)の程度を調べます。主に難聴(音声がよく聞き取れない)の検査です。 |
血圧測定(坐位) | 心臓のポンプ作用によって血液が全身に送り出されるとき、血管に加わる圧力が血圧です。そこで、血圧を測定し高血圧・低血圧の有無を調べ、高血圧による心臓病や脳卒中、腎臓病など異常がないかを知る手がかりとします。 |
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総コレステロール | コレステロールとは、脂質の一種で人体にはなくてはならないものです。総コレステロールの検査は、動脈硬化や心臓病等の循環器障害の診断に欠かせない検査です。 |
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中性脂肪(トリグリセリド) | 体内にある脂肪の一種で、皮下脂肪の大部分が中性脂肪です。コレステロールと同様、血液に含まれる中性脂肪が多過ぎる場合を高脂血症といい、動脈硬化や糖尿病、肥満の危険が高まります。 |
HDL-コレステロール | コレステロールはLDL(低比重リポ蛋白)コレステロールとHDL(高比重リポ蛋白)コレステロールに分けられます。HDLコレステロールは動脈硬化を防ぐ働きをするところから善玉コレステロールと呼ばれています。 |
AST(GOT) | 心筋や肝臓、骨格筋、腎臓など、さまざまな臓器の細胞の中にある酵素で、体の細胞を構成するアミノ酸をつくる働きをしており、臓器や組織が損傷すると血液中のGOTは増加します。 |
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ALT(GPT) | GPTもGOTと同じく、アミノ酸をつくる酵素のひとつで、血液中の量はGOTと比べると少量ですが肝臓障害に敏感に反応します。 |
γ-GTP(ガンマ-GTP) | 腎臓や膵臓、肝臓、脾臓、小腸などの上皮細胞に多く含まれている酵素です。特にアルコールに敏感に反応するため、アルコールによる肝臓障害の検査として役立ちます。また肝炎などを起こしても血液中のγ-GTPは高い値を示します。 |
ALP (アルカリフォスファターゼ) |
ほとんどの臓器の細胞に含まれている酵素で、血清中のALPのほとんどは肝臓や骨、骨盤、小腸に含まれていたものです。検査では、胆汁の流出経路から肝臓障害、そして骨の病気等が主にわかります。 |
総蛋白 ※ドックのみ |
血清蛋白にはいくつかの種類があり、体の代謝をスムーズに行う役割を持っていて、体に異常が生じると値が変動します。血清総蛋白量が高い場合は、肝臓障害や自己免疫疾患など、低い場合は栄養不良や肝臓障害、腎臓障害、急性感染症などが疑われます。 |
アルブミン ※ドックのみ |
血清蛋白の中で最も多い蛋白で、病気になると低い値を示します。肝臓障害やネフローゼ症候群、栄養不良や炎症などの指標となります。 |
総ビリルビン ※ドックのみ |
ビリルビンは、赤血球にあるヘモグロビン(血色素)からつくられる色素で、肝臓で代謝され、胆道に排泄されます。肝臓や胆道に障害があると、ビリルビン色素が血液中に増えるため黄疸になり体が黄色になります。 |
アミラーゼ(膵機能) ※ドックのみ |
でんぷんなど糖類を分解する消化酵素で唾液腺や膵臓から分泌されています。膵臓に障害があると、アミラーゼが血液中に出てくるため急性膵炎や慢性膵炎、膵臓がんなどの指標になります。 |
LDH ※ドックのみ |
LDH(乳酸脱水素酵素)は、体内の糖がエネルギーに変わるときに働く酵素の一つで、全身の細胞に分布しています。LDHが高く異常値を示す場合は、肝臓障害や心臓病、悪性腫瘍、血液の病気などが疑われます。 |
血糖 (空腹時) |
生 命活動を維持するエネルギー源であるブドウ糖は、通常は膵臓からインスリンというホルモンの働きで、血液中に一定の濃度で保たれています。しかし、糖尿病 の傾向がある人はインスリンが不足し血糖値が上がります。検査は、血糖値が正常な場合でも食後には上がるので、空腹時の血糖値を調べます。 |
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尿糖 | 健康であれば糖は尿中には排泄されませんが、糖尿病が進行し血糖値が高いと尿中に糖が排泄されるようになるので、尿中に排泄される糖(ブドウ糖)の有無を調べます。 |
尿酸 | 細 胞が日々作り替えられる際の残りカスが尿酸です。生成過剰や排泄異常のほか、高カロリー食や肥満、飲酒、ストレス、薬剤の服用などが血清中の尿酸値を高め ています。尿酸値は痛風の原因物質としてよく知られていますが、高尿酸血症は腎臓や尿管の結石、その他腎臓障害や悪性腫瘍などさまざまな病気の可能性が考 えられます。 |
Ht(ヘマトクリット)値 | 一定量の血液の中に含まれる赤血球の容積の割合を調べます。割合が低いということは、血液の血液濃度が薄いことにもなり貧血、高いと脱水症状や多血症が疑われます。 |
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Hb(ヘモグロビン) | 血液中の血色素量が少ないと、充分な酸素を運搬できないため検査値が低い人は貧血が疑われます。 |
赤血球数 | 赤血球は血液成分の大部分を占めています。その数が少ないと酸素の供給不足になるため、貧血等が心配されます。 |
白血球数 | 白血球は、体内に侵入した細菌や異物を分解して無毒化する作用があります。したがって白血球数が多い場合は、細菌による感染症や白血病など、少ない場合は貧血や血液の病気の可能性があります。なお喫煙者は、しばしば白血球増加がみられます。 |
血小板数 ※ドックのみ | 血小板は、出血したときに血を止める働きをしています。検査値が高いときは感染症や白血病など、低い時は肝硬変や再生不良性貧血、白血病などの血液の病気が考えられます。 |
末梢血液像 ※ドックのみ | 体内に異物が侵入し増えた白血球を詳しく調べると、好中球やリンパ球などの5つの種類に分けられます。それらは形が違うだけでなく、病気によってどれが増減するかが異なっているので、白血球の種類ごとの増減数を調べ、診断の手がかりにします。 |
尿蛋白(蛋白半定量) | 尿中に排泄される蛋白を調べ、腎臓に病気がないか調べます。健康な人は尿蛋白はほとんど排出されませんが、激しい運動や寒さ、強いストレス、かぜで発熱した場合などに排出されることがありますが、これらの要因が回復すればすぐ正常に戻ります。 |
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尿潜血 | 尿の通り道となる腎臓や尿管、膀胱や尿道などの臓器に異常があると、尿中に赤血球が検出されます。この場合、膀胱炎や腎臓・尿管の結石、急性腎炎、腎結核、膀胱や尿管、腎臓の腫瘍などが考えられます。ごく微量で肉眼ではわからない赤血球もこの検査で調べられます。 |
血清クレアチニン | ク レアチニンは、体内でエネルギーとして使われた蛋白質の残りカスで、腎臓から排泄されていますが、腎機能に障害があると排泄がうまくいかずにクレアチニン の値は高まります。クレアチニンが高すぎると、急性腎炎や慢性腎炎、前立腺肥大や腎臓結石、腎盂腎炎などの病気が疑われます。 |
尿沈渣顕微鏡検査 ※ドックのみ | 尿たんぱく、尿潜血などの検査で異常があった場合に行う検査です。 |
免疫便潜血反応検査 (2日法) |
大腸や直腸に腫瘍やポリープがあるなど、消化管に出血があると便に微量の血液が混じるので、便を検査します。 |
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直腸検査 (必要に応じて実施) ※ドックのみ |
問診などをもとに、医師が必要と認めた場合、肛門の触診が行われます。 医師の所見が示される検査 |
心電図検査 | 心臓の筋肉が伸縮する際に発生する微量の電流を、心電計でグラフ化したものを観察します。心電図からは不整脈や狭心症、心筋梗塞、心筋症、心肥大などの心臓病の兆候や病気の進行・回復状態などがわかります。 |
胸部レントゲン検査 | 胸部にX線を照射し、肺炎や肺結核、肺がん、胸膜炎、心肥大、縦隔腫瘍などの病気の有無、病巣の位置を調べます。 |
胃部レントゲン検査 | 造影剤バリウム液と発泡剤を飲んで、胃や十二指腸をX線撮影して胃炎、胃ポリープ、胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍などの病気の有無を調べます。 |
胃内視鏡検査 | 直 径1センチほどの細長い管の先にレンズをつけた内視鏡(ファイバースコープ)を口から入れて、胃や十二指腸の内部を写し出し粘膜の表面を観察し胃炎、胃ポ リープ、胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍などの病気の有無を調べます。また医師が必要と認めた場合は、組織の一部を内視鏡の鉗子で採取して調べる検査、生検 を行います。 |
乳がん検査(希望者) | 乳がんになると、乳房やその周囲にしこりやひきつれなどの変化が見られるようになります。そういった病変や、乳頭からの分泌物の異常、わきの下や首のリンパ腺の腫れの有無などを医師が視診や触診で診察します。 |
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子宮がん検査(希望者) | 子 宮がんには子宮頚部(子宮の入り口付近)に発生する子宮頚がんと子宮体部(子宮の内側)に発生する子宮体がんとがあります。検査は子宮頚部の粘膜から少量 の組織を採取し、顕微鏡で細胞の異常の有無を観察・診断する組織・細胞検査(子宮細胞診=スメア)で、子宮頚がんの検査を行います。 |
眼底検査 ※ドックのみ | 眼底カメラによって瞳孔から網膜を撮影し、眼底の血管を観察します。眼底の血管の状態をみることで、目の病気だけでなく、動脈硬化や高血圧、糖尿病による血管の病変、脳の血管障害や脳腫瘍など脳に起こる各種の異常を知ることができます。 |
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肺機能検査 ※ドックのみ | 思いきり息を吹き込んだときの肺活量や一秒でどれだけ息を吐き出せるかの一秒率、残気量(肺に残る息の量)などを調べます。肺気腫や気管支ぜんそく、気管支拡張症など呼吸器の病気がわかります。 |
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腹部超音波検査 ※ドックのみ | 超音波検査とは、超音波診断装置を使って発信した超音波が臓器に当たって返ってくる反射波(エコー)から臓器を画像化しその状態を診断します。腹部超音波検査では肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、子宮、卵巣などの異常を調べることができます。 |
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HBs抗原(希望者) | B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査です。 |
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HCV抗体(希望者) |
核酸増幅検査 | 「HCV抗体」検査でC型肝炎ウイルスに感染しているかどうか判断ができなかった人について、再度この検査を行います。 |
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