検査科

診療・各部門

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検査科紹介

当院の検査科は、生理検査、検体検査、中央採血室の部門に分かれて業務を実施しています。
臨床検査は医師による病気の診断のためだけでなく、患者さん自身が病気と闘っていくためにも、なくてはならない手段です。また、自分の臨床検査値は健康づくりにも役立つ情報となります。
検査科は精度の高いデータを迅速に提供し、質の高い医療に寄与することを目標としています。また、感染症の発生状況や、献血によって提供された輸血用血液の使用状況など、検査に伴って
発生した統計情報を国や自治体に報告することで、安全で効果的な医療の実現のために活用しています。
これらの業務は、臨床検査技師免許を取得した職員により実施されています。
それに加え超音波検査士、血管診療技師、細胞検査士、国際細胞検査士、輸血認定技師、日本糖尿病療養指導士、医療情報技師など各学会等が認めた認定資格を取得しています。
臨床検査はどの医療機関で検査をしても、同じ結果を得られることが理想です(標準化)。当院では日本医師会、日本臨床衛生検査技師会、神奈川県臨床衛生検査技師会などが行う臨床検査精度管理調査に参加し、検査精度の確保と標準化に努めています。2018年4月に「標準化され、かつ精度が十分保証されている施設」として精度保証施設認証施設に認定されました。今後も検査結果の互換性と精度の高い検査を維持することで、患者さんの治療と地域の健康増進に貢献することを目指していきます。

生理検査

フィブロスキャン

肝臓の硬さや脂肪の沈着具合を調べることができます。従来は針を刺して肝臓の一部を採取する「肝生検」という検査が一般的でした。当院では「フィブロスキャン」という検査法を導入しています。
これは、体の表面から肝臓の硬さや脂肪の沈着を数値化できる検査で、痛みもなく入院も必要ありません。
検査は5分程度で終わります。胸部から腹部にかけて機械を当てますので、脱ぎ着がしやすい服装でお越しください。

心電図検査

両手、両足、胸部に電極を取り付けて、心臓から発生する微弱な電気信号を調べます。痛みや苦痛はなく、5分程度で終わる検査です。

【注意事項】
  • 心電図の電極は素肌に取り付けるので、胸部が出せるよう、脱ぎ着が簡単な服装でお越しください。
  • 両手両足にも電極を取り付けるので、スパッツ等の足首が出にくい服装はご遠慮ください。タイツやストッキングは脱いでいただきます。

ホルター心電図検査

ホルター心電図検査では携帯用の小型心電計を用いて、24時間にわたり心電図を記録します。この心電図の解析結果を通して日常生活における心拍数や心電図変化を調べ、異常がないかを検査します。
不整脈や狭心症などを調べることができます。

検査について

胸部5ヶ所にシール状の電極を貼り、心臓の動きを心電計に記録します。10分ほどで検査機器の装着は完了します。検査開始から24時間、眠るときも含めて装置をつけ続けていただきます。

【注意事項】
  • 検査開始後は、入浴やシャワーはできません。検査の前に済ませておいてください。
  • 皮膚が汚れていると、取り付けた電極がはがれやすくなるので体を清潔にしておい
    てください。
  • 電気毛布・ホットカーペットなどの使用は、検査に影響しますのでご遠慮ください。
  • 診断の参考とするために、検査中の日常行動の記録メモをつけていただきます。行
    動・症状の内容を記入していただきます。

負荷心電図検査

階段の上り下りや動くベルトなど、運動負荷をかけることで、心臓への負担を調べます。

【注意事項】
  • 運動の種類によって、運動できる服装などをご用意いただくことがあります。検査予約の際に説明いたします。
  • 体に運動負荷をかけますので、足腰に不安のある方は事前にお申し出ください。検査中に体調の変化があった場合は、すぐにお申し出ください。

呼吸機能検査

呼吸をするために、空気を吸ったり吐いたりする能力を調べます。また、吸った空気を体に取り込む能力を調べることもあります。

【注意事項】
  • 息を大きく吸ったり吐いたりしますので、食事直後では気分が悪くなることがあるので、直前の食事は避けてください。

脳波検査

脳から発生する微弱な電流を解析して、脳の障害を調べます。検査中、光や音の刺激を与えて、脳の反応を調べます。

【注意事項】
  • 頭からの電流は非常に弱いので、検査前は頭皮を清潔にしてください。また、電極を取り付けるときに使うペーストで、髪や頭皮がべとつきますが、洗髪することでべとつきは取れます。
  • 携帯電話等の電子機器の影響を特に受けやすい検査ですので、検査中はこれらの機器を身に着けないようにしてください。

動脈硬化の検査

1.脈波伝播速度(PWV)

血液が心臓から拍出された際に生じる拍動が、末梢の動脈まで伝わる速度を脈波伝播速度(PWV)と言います。主に動脈壁の硬さ(動脈硬化)を評価します。
両腕、両足に血圧計の帯(カフ)を装着し、検査します。

【注意事項】
  • 血圧を測定するため、きつめの服(上下とも)やストッキング、サポーターなどは脱いでいただきます。

2.皮膚組織血流圧(SPP)

皮膚表面の血液の流れをみる検査です。

超音波検査(エコー検査)

超音波を体に当てて、跳ね返った超音波(エコー:こだま)をコンピューターで解析して、断層画像を作り出します。苦痛はほとんどなく、放射線被ばくの心配もありません。超音波検査は検査する部位によって、注意事項が変わるので、ご予約時にご説明する注意事項をよくご確認ください。

【注意事項】
①腹部超音波検査
  • 検査前日の午後9時以降と検査当日は食事をしないでください。
  • 検査当日は水分も取らないでください。服薬などで、必要な方は、予約時にご確認ください。
②心臓超音波検査(心エコー検査)
  • 上半身は脱いでいただきます。
③経食道心エコ-

口から細長い管を飲み込み、心臓により近い位置(食道)から超音波で心臓を詳しく観察する検査です。

  • 検査前日午後9時以降と検査当日は食事をしないでください。
  • 検査当日は水分も取らないでください。服薬などで、必要な方は、予約時にご確認ください。
④乳腺、甲状腺、頸動脈超音波検査
  • 乳腺超音波は原則、女性技師が検査を行います。
  • 乳腺超音波は上半身を脱いだ状態で検査を行いますので、脱ぎ着がしやすい服装でご来院ください。
  • 甲状腺、頸部超音波は首が広く出せる服装でご来院ください。
⑤下肢血管超音波検査
  • ズボンやスカートを脱いで検査をしますので、下半身は脱ぎ着のしやすい服装でご来院ください。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠時に呼吸が止まってしまう病気です。呼吸が止まってしまうことで、心臓や脳に大きな負担をかけてしまい、日中の眠気や集中力の低下が起こります。眠っているときの呼吸停止は、本人が気付くことが少ないので、発見が遅れがちです。
当院では睡眠時無呼吸症候群の検査として、簡易検査と終夜睡眠ポリグラフ(PSG)の2種類の検査を行うことができます。

1.簡易検査

就寝前に検査機器をご自分で取り付けていただき、睡眠中の血中酸素濃度の変化を検査します。この検査だけで睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断はできませんが、入院せずに検査を行うことができます。

【注意事項】
  • 検査機器をお持ち帰りいただき、翌日返却していただきます。2日間連続でご来院いただく必要があります。(返却の際は代理の方でも結構です)検査結果は、後日担当医からご説明します。
  • 機器は就寝中に外れてしまわないように、しっかり取り付けてください。また、防水仕様ではありませんので、機器が濡れてしまわないように気を付けてください。

2.終夜睡眠ポリグラフ(PSG)

ご入院いただき、睡眠時の呼吸の状態、脳波、筋肉の動きなど、精密に検査します。SASの診断やCPAP(シーパップ)など、治療方針を決めるために、多くの情報を得ることができます。

【注意事項】
  • 検査当日午後~夕方に入院していただき、18:00頃に機器を取り付けます。起床後、機器を取り外し、午前中に退院していただきます。検査結果は、後日担当医からご説明します。

検体検査

生化学・免疫検査

タンパク質やミネラル、酵素など、血液中の成分を分析して、体の中でどのような変化が起きているのかを知る手がかりを探ります。
そのほかに、ウイルス感染症やホルモン、腫瘍マーカーの検査を行います。T-SPOT(Tスポット)などの結核関連の血清検査を行っています。

血液・輸血検査

赤血球、白血球などについて検査をしたり、血液の凝固機能を検査して、血液疾患を調べます。
輸血用血液の管理を行い、患者さんとの適合性を調べたりします。

一般検査

尿や便の成分や細胞などを調べます。これらの検体は採取が比較的簡単で、有用なデータが得られます。
脳脊髄液や胸水、腹水の検査も行います。

≪トピックス:便潜血検査≫

日本人に大変多い大腸癌(肺がんに次いで二番目)のスクリーニング検査が便潜血検査です。
主に便の通り道である大腸等の下部消化管の出血を見つけるための検査で、大腸がん・胃がん・胃潰瘍・小腸腫瘍・潰瘍性大腸炎・痔瘻などで陽性になります。
当院では外来患者さんに採便器具・採便シートを検査技師が詳しく説明しながらお渡ししています。また2日法を取り入れることで出血発見の精度を上げています。
自覚症状のない肉眼では見分けられない微量の出血をこの検査により40~80%発見することができるといわれています。
2018年7月より更に高速処理ができる新しい機種を導入し実施しています。

微生物検査

病気の原因となる細菌の検出を行い、有効な抗菌薬を探します。病院内の細菌の検出状況を解析して、医師、看護師などと共同で院内感染を防ぐ活動(ICT)を行っています。このデータは厚生労働省に送られて、感染症の動向や新たな薬剤耐性菌の発見のために活用されています。
当院ではノロウイルスの簡易迅速検査を行っています。検出感度は高くありませんが、1時間ほどで検査結果が分かります。
当院では結核に関する以下の検査を行っています。

検査法

所要日数

抗酸菌塗沫検査(チールネルゼン染色) 当日~翌診察日に報告
結核菌・非定形抗酸菌遺伝子検査(PCR法) 3~5診察日に報告
Tスポット(T-SPOT)検査 3~5診察日に報告
結核菌・抗酸菌培養検査 1~2か月かかります
抗酸菌薬剤感受性検査 結核菌・抗酸菌培養陽性判定後1か月ほどかかります

※所要日数は前後することがあります
※一部検査は専門検査機関に委託しています

病理検査

生検で採取した体の組織の一部や、手術で摘出した腫瘍などの組織を顕微鏡を用いて観察することで、病気の診断をします。これは、病理医によって行われ、臨床医はこの病理診断を基に治療方針を決定します。
また、ヘラやブラシで採取した細胞や喀痰や腹水などに含まれている細胞の観察を行い、異常な細胞を見つける、細胞診という検査を行います。これは細胞検査士の認定を持つ臨床検査技師により行われます。

中央採血室

点滴などの処置を行わない外来患者様の検査用採血は、2階の中央採血室で行います。
採血を受けられる方へ